テニス考

テニスの王子様についての考察

TEAM Liveを観劇して思ったこと

TEAM Live YAMABUKIを観劇して思ったことについてなんとなくまとめます。

多分、人によっては不快に感じる内容かと思います。

 

山吹のチムライを3/20(京都)昼夜と4/3(東京)昼夜、観劇しました。

チムライについては、青学と不動峰と観劇して、不動峰チムライがすごく好みだったので、それを期待していたのですが、「第一部はキャスト(私服)によるトークショー!」と言われた時点で嫌な予感はしていたのです。

 

私は簡単に言えば、「テニスの王子様」原作至上主義者です。「テニスの王子様」が好きだから、アニプリを見て、キャラソンを聞き、テニミュを見るのです。「テニミュ」が好きだから「テニミュ」を見る、というよりは、大好きな「テニスの王子様」を原作とした舞台だから見るというほうが正しいのだと思います。

 

チムライで一番印象に残っているのは、京都のチムライで喜多くんの役者さんの言った「原作ファンの方にも楽しんでいただけるように(役作りをしました)」という言葉です。この言葉に「テニプリ原作ファン≠テニミュファン」とキャストさんや演出などの制作サイドが認識しているんだなあ、と感じました。原作ファンのすべてがテニミュを観ているわけではない、これは私としてはよくわかっていることでした。しかし、テニミュファンのすべてが原作ファンではない、これには違和感というかむしろ嫌悪感があります。

「『テニミュ』は好きだけど、原作はそうでもない」これってつまりは役者さんが好きということなんだと思います。役者さんが輝ける場としての「テニミュ」が好きなわけで、この場合の「テニミュ」は役者さんのイレモノに過ぎません。原作至上主義者としてはこうした考え方には正直嫌悪感を覚えるのです。

原作至上主義者である私にとって、イレモノであるのはむしろ役者さんのほうです。役者さんは「テニスの王子様」を実写化して、より魅力的なものに魅せる道具に過ぎません。テニミュキャストに人格を求めないのです。だから、日替わりネタだとかでキャラ崩壊ネタをやられると、「原作百万回読み直せ!」と言いたくなるし、キャストの素の部分を見せられても「ふーん、で?」という感じなのです。ドリライでキャーキャー言われていい気になっているのを見ると、「人気があるのはお前じゃなくて、お前が演じているキャラクターだ」と毒づきたくもなります。

まためんどくさい話なのですが、何に憤っているのかと言うと、テニミュ制作サイドが原作ファンを切り捨てたように感じることに怒っています。テニプリ古参ババアには「テニプリわしが育てた」という意識があります。だから「テニミュ」がひとつのブランドとして成立し、若手俳優を育てるためのイレモノかのように扱われることが許せないのです。「テニミュ」ブランドがここまで成長したのには、古参ババアの力も大いにかかわっているのだぞ。なのにババアをないがしろにするなんて。

 

しかし、「テニミュ」が若手俳優のイレモノ化するのもわからないでもないよなあ、という同情もあります。テニミュキャストの卒業後の道はとっても厳しい道だと思います。テニミュが「若手俳優の登竜門」などともてはやされ、テニミュに出れば役者として成功する、と思われたのはもう過去の話です。今となっては、若手俳優界には「元テニミュキャスト」が溢れ、テニミュに出ただけでは先の道は拓けません。昨今の「2.5次元舞台」ブームは溢れんばかりの「元テニミュキャスト」の受け皿でもあるんだろうな、と思っています。「元テニミュキャスト」に仕事を作ってあげる、という意味もあるのでしょう。テニミュを卒業した後、生き残るためにはどうするか。テニミュに出ている間に、役者本人のファンになってもらう必要がある。そのためにはどうするか。その結果がチムライの「第一部 キャスト(私服)によるトークショー!」なのではないでしょうか。

以前に、1st四天キャストのファンの方がおっしゃっていた「テニミュバブルは2年まで」という言葉があります。テニミュでついたファンが、それだけでキャストについてくるのはだいたい2年くらいだそうです。それを過ぎるとファンクラブイベントなどの参加人数はグッと減るそうです。役者さんはそれまでに自分自身の魅力でファンを引き付けられるようにならなくてはなりません。とっても厳しい世界です。

 

まとめると、「テニミュ」を「キャスト」を売り出すためのイレモノとして見る制作サイドと、「キャスト」を「キャラクター」のイレモノとして見る、原作ファンの間に剥離があり、溝が生まれつつある、ということです。

テニミュ」がブランドとして大きくなりすぎたことで生まれた問題かなあ、と思います。

 

これからも私は、「テニスの王子様」が好きだから「テニミュ」を観ます。しかし、あくまでも好きなのは「テニスの王子様」であって「キャスト」ではない。そんなスタンスでやっていきたいなあ、と青学8代目卒業に揺れるツイッターを見て思ったのでした。